「ケモノ(Furry)」とゲイの関係は?着ぐるみからケモホモ・ケモショタまで

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動物を人間のように描いたキャラクターを好み、自分自身のキャラクターを作ったり、その姿を着ぐるみで表現したりする「Furry(ファーリー)」文化。日本では、これと大きく重なる文化が「ケモノ」と呼ばれている。

このコミュニティーについて特徴的なのが、男性参加者の中でゲイやバイセクシュアルなどの割合が高いことだ。日本のケモノ文化にも、男性のケモノ同士の恋愛を扱う「ケモホモ」、若い男性キャラクターを指す「ケモショタ」、男性同士の恋愛表現を扱う「ケモBL」といった独特の言葉が存在する。

なぜ動物キャラクターの文化と男性同性愛がこれほど近い場所に現れるのか。その背景をたどると、単なる着ぐるみ趣味とは違う、身体、男性性、自己表現、同人文化、インターネット・コミュニティーが交差する世界が見えてくる。

Furry男性にはゲイやバイセクシュアルが実際に多い

Furryを対象とした研究では、男性参加者の性的指向が一般人口とはかなり異なる分布を示している。

2008年に『Society & Animals』へ掲載された初期研究では、調査対象となった男性Furryのうち40.5%がバイセクシュアル、31.5%が同性愛、28%が異性愛と回答した。調査した研究者自身も、男性Furryは比較群の男性より同性愛または両性愛である割合が高かったと報告している。

2019年に『Archives of Sexual Behavior』へ掲載された研究では、インターネットを通じて募集された男性Furry334人について、42.8%がバイセクシュアル、31.7%がゲイ、15.9%がストレートだった。アセクシュアルやその他の回答も含めると、84%が非異性愛のアイデンティティーを回答している。

この研究はFurry文化と性との結びつきについてもかなり踏み込んでいる。334人のほぼ全員がFurryとしての活動に何らかの性的動機があると回答し、約47%はFurryであることについて性的な理由を主な動機として挙げていた。つまり男性Furryの文化では、性的指向とキャラクターへの関心が互いに無関係な領域として存在しているわけではない。恋愛、身体的魅力、自己イメージ、キャラクターへの嗜好が重なっている参加者も多い。

同時に、1,113人を対象にした別の研究では、性的な動機より、仲間との交流やコミュニティーへの所属といった非性的動機のほうがFurryとしてのアイデンティティーと強く結びついていた。Furry文化では、性とコミュニティー形成の両方が大きな役割を持っていると見るのが実態に近い。

なお、こうした研究の多くはファースーツを所有する人だけではなく、絵、創作、オンライン交流、ファーソナ、着ぐるみなどを含むFurryコミュニティー全体を調べたものである。

SFファンダムから始まり、ネット上で「別の身体」を持つ文化へ

現代のFurry fandomが独立した文化として形を整えたのは、1970~80年代のアメリカのSF・コミックファンダムだった。擬人化された動物を扱ったSFやコミックのファンが大会などで集まり、1980年代には「Furry Party」と呼ばれる交流が行われるようになった。1989年には、初期の専門コンベンションである「ConFurence Zero」が開かれている。

そこからFurry文化を大きく変えたのが、インターネットだった。

1990年に公開されたテキスト型オンライン世界「FurryMUCK」では、利用者が自分で作った動物キャラクターになり、その姿で他者と会話できた。現在のSNSやVRChatに近い役割を、文字だけの仮想空間が30年以上前に果たしていたことになる。

当時の記録には、FurryMUCKがゲイ、バイセクシュアル、レズビアンなど多様な人々を受け入れる空間だったことも残っている。1990年代初頭の段階で、Furryのオンライン空間と性的マイノリティーの交流はすでに接近していた。

この文化で重要なのが「fursona(ファーソナ)」である。自分を表す動物キャラクターを作り、種族、身体、服装、性格、性別などを自分で決める。現実の身体とは異なる姿で他者と交流するという文化が、Furryでは非常に早い時期から発達した。

LGBT+のFurryを調べた2020年の民族誌的研究でも、オンラインFurryコミュニティーは、参加者が現実生活とは異なる自己のあり方を試し、自分のアイデンティティーを探索する場所として機能していた。

動物キャラクターは単なる鑑賞対象ではない。自分自身にもなれる。この特徴が、性的指向やジェンダーを含めて「どのような自分でありたいか」を表現する文化へとFurryを発展させていった。

日本のケモノ文化に根付いた「ケモホモ」と「ケモショタ」

日本のケモノ文化は欧米のFurryと交流しながらも、漫画、アニメ、ゲーム、同人誌という別の流れから発展してきた。2024年のFurry Studies Conferenceでも、日本の「ケモノ」は欧米のFurryと重なりながら、日本独自の漫画・アニメ文化に結びついた異なる歴史を持つことが指摘されている。

JMoFによれば、日本では遅くとも1990年代には、同人誌即売会、インターネット、着ぐるみイベントなどを通じてケモノのコミュニティーが可視化されていた。

この日本側の歴史を考えるうえで興味深いのが「ケモホモ」という言葉である。

コミュニティー系資料のWikiFurでは、ケモホモをオスのケモノキャラクター同士の恋愛・情愛を扱うジャンルとしている。日本では筋肉質で大柄な男性的キャラクター同士を指すことが多く、より細身で若々しいキャラクターの場合には「ケモBL」と呼んで区別する傾向も記録されている。

これは、日本のケモノ文化の中で男性同士の関係が単に存在していただけではなく、キャラクターの年齢感や体格まで含めて独自のジャンル語が生まれるほど細分化されていったことを示している。

WikiFurのコミュニティー史では、1997年に設立された「獣コミュニティ・FANG」でもケモホモ作品が発表されていたとされる。さらに、男性同性愛者の存在が目立ったことから、一時期「ケモナー」という言葉自体に「ケモノを好む同性愛者」というニュアンスが伴う場合があったとも記録されている。

もう一つ、日本独自の文化をよく表しているのが「ケモショタ」である。これは幼い体格や低年齢の設定を持つ男性のケモノキャラクターを指す俗称で、性的な作品に限定された言葉ではない。『ソニック』シリーズのテイルスや『風のクロノア』のクロノアのような一般向け作品のキャラクターも、この分類で語られることがある。英語圏のFurryでは近いキャラクター類型が「Cub」と呼ばれている。

日本のケモノ文化では、このケモショタがケモBLなど男性同士の恋愛表現と隣接する領域にも入り込んでいる。成人男性的な体格を強く打ち出した「ケモホモ」、細身で若々しい造形を含む「ケモBL」、さらに年少的なデザインを指す「ケモショタ」という語彙が並んでいること自体、日本の漫画・同人文化らしい分類の細かさを表している。

つまり日本では、「男性のケモノ」という大きなカテゴリーの内部で、筋肉質、青年、中性的、少年風といった身体の違いが、異なる魅力として整理されてきたのである。

動物の身体だからこそ表現できる「男性性」

ここまで見ると、ゲイとケモノ/Furryの接点にはもう一つ特徴が見えてくる。それは「男性の身体をどう描くか」という問題である。

ケモホモで好まれるとされる大柄で筋肉質な獣人は、人間男性の身体的特徴を強調しながら、同時に顔や体表を動物へ変えている。オオカミ、トラ、クマ、イヌなどの動物が持つ力強さ、毛皮、牙、耳、尻尾といった特徴に、人間的な男性性を重ね合わせることができる。

逆方向にはケモショタやケモBLがある。こちらでは小柄さ、若々しさ、中性的な造形など、別の男性像が動物キャラクターとして表現される。

人間の男性を描くだけなら、筋肉質な男性と細身の男性という違いで終わる。しかしケモノでは、そこへ動物種、毛色、耳、角、尻尾、体格、ファーソナとしての人格まで追加される。男性の魅力そのものを極端に細分化し、自分の好みに応じた身体を創作できるわけだ。

しかも、その身体は見る対象であるだけでなく、自分自身がなる対象にもなる。イラストとして好み、ファーソナとして名乗り、着ぐるみとして実際に身にまとうことまでできる。この「好きな男性キャラクターを見ること」と「自分もそのような身体になること」の距離が近い点は、Furry/ケモノ文化ならではの特徴だろう。

男性Furryにゲイやバイセクシュアルが多いという調査結果、日本のケモノ文化でケモホモやケモBLが早くから発展したこと、そしてファーソナや着ぐるみによって別の身体をまとえる文化。これらは別々の現象ではなく、互いに重なりながら現在のファンダムを作ってきた。

ケモノ/Furryは、動物キャラクターを「見る」趣味から始まり、やがて自分の身体、恋愛、男性性、性的指向までキャラクターを通じて表現できる文化へ広がった。ゲイ文化との強い接点は、その発展の過程で生まれた周辺的な現象というより、現在のFurry/ケモノ文化を形作っている一つの重要な流れとして見ることができる。

トモヒロ
トモヒロ

僕は「熊」って呼ばれてるくらいだから、もっと毛深くなれば、くまのプーさんみたいになって、ケモホモ界隈でモテまくるかもしれないな……

ユウト
ユウト

僕は子供時代、『週刊少年ジャンプ』に連載されてた『WILD HALF』の主人公・サルサが好きだったんだ。普段のサルサは犬なんだけど、感情が高ぶったりすると、イケメン少年に変身するんだ。サルサと、飼い主の高校生・岩瀬健人のセックスを妄想しながら、随分と抜かせてもらったよ。

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