2024年3月26日、最高裁判所第三小法廷は、同性パートナーの遺族に対して犯罪被害者等給付金を支給しないことを違憲とする判決を下しました。この判決は、同性カップルの法的権利を認める上で画期的な判例として、今後の司法や立法の動きに大きな影響を与えると考えられています。
同性パートナーの遺族に犯罪被害者等給付金は支給されるか?
今回の最高裁判決の背景を紹介します。2020年、原告の男性は、長年連れ添った同性パートナーを暴力事件によって亡くしました。パートナーは、2人で生活していた住宅付近で何者かに襲われ、重傷を負った後、搬送先の病院で息を引き取りました。
原告とパートナーは、同じ口座で生活費を管理しながら約10年間一緒に暮らし、事実上の夫婦といえる関係でした。さらに、原告は、病気を抱えたパートナーを介護していました。しかし、事件後に原告が犯罪被害者等給付金の遺族給付金を申請した際、行政機関から「同性カップルは法律上の配偶者には該当しない」との理由で申請を却下されました。原告はこの決定を不服として裁判を起こし、同性カップルにも異性カップルと同様の権利を認めるべきだと主張していました。
犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(犯給法)では、婚姻関係にないが「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」にも給付金が支給されると規定されます。しかし、行政側は、この条文を異性愛者の事実婚関係にのみ適用し、同性カップルは対象外としました。今回の最高裁判決は行政側の解釈を修正し、同性カップルも「事実上婚姻関係と同様の事情」に該当することがあるという判断を下しました。

最高裁の違憲判決に対する賛否と国や自治体の今後の動き
今回の最高裁判決に対して、多くの法曹関係者や人権団体が肯定的です。日本弁護士連合会は声明を発表し、同性カップルに対する法的な保護が不十分な現状において、司法が積極的に権利を保障する方向に舵を切ったことを高く評価しました。日本司法書士会連合会も、今回の判決を契機として、同性カップルの権利保護に向けた更なる法整備を進めていく必要があるという見解を示しています。
一方、今回の判決に対する慎重な意見もあります。現在の日本の法体系は、法律上の婚姻制度を前提としています。この法体系において、同性パートナーに対する権利保障の拡張がどう整合性を保っていくのかが課題とされます。
今回の判決の中でも、裁判官出身の今崎幸彦裁判官は、5人の裁判官の中で唯一反対意見を出しました。今崎裁判官は「判決で示した事実婚の解釈がほかの法令に波及することが想定され、社会に大きな影響を及ぼす可能性があり懸念がある」と述べ、「家族をめぐる国民一人ひとりの価値観」に関する議論の蓄積がない中、今回の判決は「先を急ぎすぎている」と批判しました。
今回の判決を受けて、政府や地方自治体が給付金の支給基準を改訂する必要に迫られます。立方レベルでは、同性カップルを異性婚と同等に扱う法律の制定や、民法の婚姻規定の見直しなどが、今後は議論されるでしょう。自治体が、同性パートナーシップ証明制度の全国統一基準を設けるなど、国に先駆けて制度を構築していく可能性も考えられます。
日本における同性カップルの権利保障が今後どうなるのか?
他国と比較すると、日本では、同性カップルの権利保障が遅れをとっているといわれます。多くの欧米諸国では、同性婚が合法化され、異性婚と同等の権利が保障されてきました。たとえば、アメリカでは2015年のオーバーグフェル判決により、同性婚が全州で合法化され、同性パートナーの遺族も異性婚の配偶者と同じ権利を保障されるようになりました。フランスやドイツでも、同性カップルの法的保護が進んでいて、犯罪被害者支援制度においても異性婚の夫婦と平等に扱われます。
日本でも、同性カップルの権利保障を求める声は年々高まっています。近年、独自に「同性パートナーシップ制度」を導入する自治体が増えています。しかし、この制度には法的拘束力がないため、今回の最高裁判決を契機に、国レベルでの法改正がいっそう議論されることになるでしょう。
今回の判決は、日本における同性カップルの権利保障に対する司法の転換点とされます。今後、政府や地方自治体がどう対応していくのか、また、社会全体がどう変化していくのか、国民の注目が集まっています。

今回の違憲判決の中で、一人だけ反対意見を出した裁判官がいるけど、彼の言う通り、「判決で示した事実婚の解釈がほかの法令に波及する」可能性はあるよね。同性カップルの権利保障に限らず、現行法の一部を違憲とすると、他の法律も含む法体系全体の見直しが必要になる。だから、最高裁は違憲判決を出すのに慎重なんだよ。

むしろ、積極的に違憲判決を出して、現行の法体系全体の見直しを国会、さらには国民に迫るのも大事だと思うな。ほとんどの人たちにとって、自分には関係のない出来事には無関心だ。異性愛者がマジョリティの社会では、マイノリティである同性愛者の権利に目を向けようとする人って、少ないと思うんだ。

最高裁が違憲判決を出して、それがニュースで大々的に報じられれば、否応なく国民も考えざるを得なくなるわね。三権分立を堅持するため、司法は立法や行政にできるだけ口を出さないって空気が、以前は強かった。でも、司法が積極的に介入していかないと、今の日本は変わらないし、変わらなければ諸外国に後れを取ることになると思うのよ。私は今回の違憲判決に賛成よ。



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